痛みの治療法

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痛みの治療法

薬物療法

さまざまな種類の薬物があります

多くの患者さんは、いわゆる「消炎鎮痛剤」のみでは痛みを抑えられません。
病気の種類によって効きやすい薬、効きにくい薬はあり、同一症状の患者さんでも薬の効き方は違うことはよくあります。
薬の分類上、下記のような薬を用いて鎮痛します。

◇麻薬性鎮痛薬
◇非ステロイド系抗炎症薬
◇抗うつ薬
◇抗不安薬
◇抗精神薬
◇抗痙攣薬
◇副腎皮質ホルモン(ステロイド)
◇その他

例えば、抗うつ薬を処方されたから「うつ症状がある」という訳ではありません。人間は長い間痛みを持ち続けると、誰しもうつ症状を呈します。その点で抗うつ薬の投与は間違いではありません。しかし、大部分のペインクリニシャンは抗うつ薬の持つ鎮痛作用に注目して処方します。必ずしも処方箋の効果効能のとおりではないのです。
このことは漢方(湯液)にも同様なことが言えます。
また、一般に痛み止めとは非ステロイド系抗炎症薬を指します。しかし、この抗炎症薬の中にも実際は多種多様な分類がなされます。

東洋医学的治療法

西洋医学的診察では、「体の調子がなぜ悪いのか?」、「なぜ熱が高いのか?」など原因を検索します。原因を検索できた疾患には、強力に病気を治すことができます。しかし、現代の医学では原因の分からない疾患や痛みがあります。

西洋医学では、原因の分からない疾患には、対症療法という治療法で対応します。これは通常の西洋医学から考えるとかなり消極的で効果の弱い治療法なのです。

東洋医学では原因となる疾患が分からなくても治療が可能です。
「病気を診るのではなく、体を診ることで体全体の調子を調えていく」とイメージして下さい。
漢方療法と鍼治療法がよく行われます

放射線療法

放射線療法には、外部照射・半身照射・アイソトープ療法などがあります。

刺激による鎮痛法

電気による刺激で痛みを取る方法です。

刺激による鎮痛法の種類

経皮的
電気的
神経刺激法
痛みのある部位に電極を固定し、患者さんが最も快く感じるように電気を調節します。
肩こりなどに使う低周波治療器の医療版と考えて下さい。
硬膜外
通電
刺激療法
皮膚より電極を挿入し電気刺激をし、鎮痛効果が得られるようであればその1~2週間後に電気刺激装置を体内(皮下)に埋め込みます。疾患によっては劇的に症状が緩和されることもあります。
脊柱管狭窄症や下肢の閉塞性疾患で悩んでおられる方は試しても良い治療法かもしれません。

手術療法

椎間板ヘルニアなどの疼痛を惹起する基礎疾患の除去と、除痛手術、といった手術法が存在します。

理学療法(リハビリテーション)

リハビリテーションとは「再び適した(ふさわしい)状態にすること」を意味しています。
リハビリはとても大切です。しかし、時間はかかるし痛いし、明確な目的を持っていなければすぐ挫折してしまいがちな治療です。
廃用性症候群(身体を動かすことができず、動かないでいるとついに動けなくなってしまうような状態)を合併している患者さんは、例えば足を曲げると痛いため曲げないでいると固まり、ついに曲がらなくなってしまうことです。この痛みがさらに廃用性症候群を重症化させるという悪循環に陥っています。
この悪循環を絶ち、可能な限り廃用性症候群を改善させ、日常生活の自立度を高める目的で、理学療法(リハビリテーション療法)が行われます。

心理学的療法

どうしても痛みの原因が見出せず、その原因として考えられるのが精神的な面であると言う理由から、また取り去ることのできない痛みを受け入れることにより、痛みを緩和しようと心理学的なアプローチを治療に用いることがあります。
「病は気から」と言うように、また痛みもいつも同じとは限りません。寝ている時、何かをしている時などにふと痛みが軽くなったり忘れているなど、少なからず痛みにも心理学的側面が関与しているように思えます。
自律神経訓練法であったり、催眠療法であったり、神経内科医によるカウンセリングであったりさまざまです。